医療用チタンピアスの基準|純度・規格・選び方

医療用チタンピアスの基準|純度・規格・選び方

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ライター Mio

Liora専属ライターのMioです。昔、「チタンなら大丈夫」と試したのに肌に合わなかった経験、ありませんか?

この記事では、金アレに悩む方が知っておきたい「医療用チタン」の純度や規格、正しい選び方を解説します。

「医療用チタン」とは?あいまいな言葉に注意

まず大切なことからお話しします。 実は、「医療用チタン」という言葉には、はっきりとした定義がありません。 「医療現場で使われるチタン」全般を指す、とても広い言葉なんです。

例えば、骨折治療で使うボルトや人工関節など、体内に埋め込むチタン。 これらは確かに「医療用」です。 でも、手術で使うメスやピンセットのような器具も「医療用」に含まれます。

体内にずっと入れておくものと、一時的に肌に触れる器具では、求められる安全基準が違いますよね? だから、「医療用チタン」と書かれているだけで「絶対に安全」と判断するのは、少し早いかもしれません

私たちが注目すべきなのは、そのチタンが「体に長期間触れても安全か」という基準を満たしているかどうか、なんです。

本当に安全なチタンピアスの基準:「純度」と「規格」

では、どんなチタンなら安心なのでしょうか。 ポイントは「純度」と「国際的な規格」です。

チタンは大きく分けて「純チタン」と「チタン合金」の2種類があります。

1. 純チタンの基準(JIS規格)

純チタンは、その純度によってJIS(日本産業規格)で4つのグレードに分けられています。

  • JIS1種(TP270):最も純度が高い(99.5%以上)。不純物が少なく、柔らかい。
  • JIS2種(TP340):一般的に最もよく使われる純チタン。
  • JIS3種(TP480):少し強度がある。
  • JIS4種(TP550):最も強度がある。

金アレの観点から見ると、最もアレルギーリスクが低いのはJIS1種(純度99.5%以上)です。 不純物(鉄や酸素など、他の金属成分)が少ないほど、汗などで金属が溶け出しにくいからですね。

ピアスの素材として「純チタン」と書かれている場合、このJIS1種や2種が使われることが多いです。

純チタン(JIS規格)の純度と強度の関係
JIS1種純度:高強度:低
JIS2種純度:↓強度:↑
JIS3種純度:↓強度:↑
JIS4種純度:低強度:高

2. チタン合金の基準(ASTM規格)

「チタン合金」は、チタンに他の金属を混ぜて強度などを高めたものです。 ここで「えっ、他の金属を混ぜたら危なくない?」と不安になるかもしれません。 その気持ち、すごく分かります。

でも、チタン合金の中には「体内に埋め込んでも安全」として、国際的に認められた特別な規格があるんです。 それが、ASTM規格(米国試験材料協会)です。

特に覚えておきたいのが、「ASTM F-136」という規格。 これは「外科インプラント用(体内に埋め込む医療機器用)」として定められたチタン合金の基準です。

このF-136は、「64チタン(チタン90%, アルミ6%, バナジウム4%)」という合金から、アレルギーの原因になりやすい不純物(鉄や酸素など)を、極限まで取り除いたものです。

純チタン(JIS1種)よりも強度があり、輝きも美しい。 それでいて、体内に埋め込めるほど安全性が高い。 このため、海外の高品質なボディピアスなどでは、このF-136が「最も信頼できる素材」として使われることが多いんですよ。

「サージカルステンレス」との違いは?

ピアス選びでよく聞く「サージカルステンレス(SUS316L)」も、医療用器具に使われる素材ですよね。 これも金アレ対応素材として優秀です。

チタンとの大きな違いは、「含まれる金属の種類」です。

サージカルステンレスは、主成分が「鉄」で、そこにクロムや「ニッケル」が含まれています。 ニッケルは、金アレの代表的な原因金属です。 「え?ニッケルが入ってるのに大丈夫なの?」と思いますよね。

サージカルステンレスが安全とされる理由は、表面に「強力なバリア(不働態皮膜)」を作ることで、中のニッケルが溶け出すのを防いでいるからです。

ただ、絶対に溶け出さないわけではありません。 汗をかきやすい体質の方や、特にアレルギーが心配な方にとっては、チタンの方がより安心な選択肢になるかもしれません。

一方、チタン(特に純チタンやF-136規格)は、そもそもアレルギーの原因となるニッケルやクロムをほとんど含んでいません。 これが、チタンが「最も肌に優しい」と言われる大きな理由です。

素材別のアレルギーリスク比較
比較項目 純チタン (JIS1種) チタン合金 (ASTM F-136) サージカルステンレス (SUS316L)
主成分 チタン (99.5%以上) チタン (約90%) 鉄 (約70%)
アレルギー原因金属 ほぼ含まない ほぼ含まない ニッケル・クロムを含む
安全性 非常に高い 非常に高い (体内埋込OK) 高い (バリアで防ぐ)
重さ 非常に軽い 軽い 少し重い
輝き・色 落ち着いた銀色 純チタンより輝きが強い シャープな銀色

金アレ体質の人がチタンピアスを選ぶ3つの基準

「医療用」という言葉だけに頼らず、私たちが自分の目で確かめたい選び方の基準を3つにまとめました。

基準1:規格や純度が明記されているか

一番大切なポイントです。 「チタン製」とだけ書かれているものは避けましょう。

  • 「純チタン(JIS1種)」
  • 「ASTM F-136」
  • 「インプラントグレードチタン」

このように、安全の「根拠」となる規格や純度がしっかり書かれているかを確認してください。 これが書かれていない「チタンピアス」は、もしかするとJIS規格外の粗悪なチタン合金かもしれません。

基準2:「チタンコーティング」ではないか

次に注意したいのが、「チタンコーティング」や「チタンメッキ」という表記です。

これは、中身の金属(真鍮やニッケル合金など)の表面だけを、薄くチタンで覆ったものです。 最初は良くても、使っているうちにメッキが剥がれて、中の金属が汗で溶け出し、アレルギーを起こす可能性があります。

私も昔、これで失敗したことがあります…。 必ず、中身まで全てチタンでできている「オールチタン」(無垢のチタン)を選んでくださいね

基準3:信頼できるお店から買うこと

規格や純度は、見た目では分かりません。 だからこそ、「誰から買うか」がとても重要になります。

素材についてきちんと説明し、規格(ASTM F-136など)を明記している。 そんな誠実なお店を選ぶことが、私たちを守る一番の近道です。

安価すぎるピアスは、コストを下げるために純度の低いチタンや、アレルギーを起こしやすい別の金属を混ぜている可能性も否定できません。

まとめ:正しい基準を知って、安心できるピアス選びを

「医療用チタン」という言葉は、それだけでは安全の証になりません。 大切なのは、その中身です

  1. 最も安心なのは「純チタン(JIS1種)」または「チタン合金(ASTM F-136)」
  2. 「チタンコーティング」は避け、「オールチタン」を選ぶ
  3. 規格や純度を明記している、信頼できるお店で選ぶ

この3つの基準を知っているだけで、ピアス選びの不安はぐっと減るはずです。

私も長年悩みましたが、今は素材の基準をしっかり見るようになって、耳元のトラブルから解放されました。 Lioraで扱っている「サージカルチタン」も、この安全基準(ASTM F-136やJIS1種など)をクリアしたものだけを厳選しています。

もし素材選びで迷ったら、Lioraのアイテムも選択肢の一つとして見てみてくださいね。 あなたが安心して、毎日のおしゃれを楽しめることを願っています。

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